NHKスペシャル 「世紀を超えて」

 これを元ネタに最近したのだが、もうこの「世紀を超えて」と聴いた瞬間、このBGMが聞こえてくる。そして慄くと同時に、感動する。


 まずこの番組の顔、M-1「世紀を超えて(Beyond The Century)」。番組趣旨は非常に危機を感じさせざる終えないものばかりである中、場違い的に和やかな雰囲気である。そして大抵そのギャップと言うのが、神聖感を演出強調するのは、いつものことだ。
 うむ。人間に比べて、その絶対的絶大的圧倒的存在であり不動の、この、地球・大自然が、過去現在未来と永劫に存在し続けることを当然であるが如く、誰に対しても誇示することなく、”只管在る”ことを象徴しているようだ。妖精が謳歌しているのかもしれない。


 まあ原則このサントラは全曲よろしい。何せ、番組が傑作だったメージと関連させてるし、そもそも音楽そのものもまた印象に残る良曲ばかりであるからだ。とにかく重い。


 でだ。まあ個人的にM-2「Turning Point」は上位に入る。この、まさに今切羽詰った状況ですよ、って感じがいい。初めて聞いた人も、「ああこの曲は事象の転換点だろ」と言い当てれるくらいあからさまに切羽詰ってる。まさに題名通り。転換点なのだ。しびれる。
 一貫して全く同じリズムの線があるのだが、それ以外の音が、ボレロ式にどんどん盛り上がって、つまり差し迫ってきた、って感じを与えるのだが、先の常音リズムもなかなか目立つ音なので、盛り上がり組みの音と対比してしまうことによって、今まさに現在が過去とどんどん異なるものへと変化している、という印象を与える。うむ。やっぱしびれる。


 さて次は・・・うむ。正直もう番組内容なんかうる覚えだし、BGMがどんな状況で流れていたかも定かでない。一応これは、十分番組を見ないでも傑作といえるくらい良作だと思うが、個人的には是非番組を見てからのほうが圧倒的にいい気がする。各状況が濃いから、その場面のBGMがつい頭にこびり付いて離れない。そもそもさっきから言ってるが、曲自身も傑作ばかりで、もう鳥肌が立つのは必至。また曲名が大抵その状況を表していると思うが、うむ。あまりに曲名が中身と合いすぎて、また鳥肌が立つ。


 というわけで、不本意ながら飛ばして、M-8「Memory of Wilderness」。これは間違いなくNo.1。「世紀を超えて」と聞くだけで流れてくる曲、それが何を隠そう、これであるからだ。
 注目すべきは前半。あの、今直面している非常事態・危機を、無慈悲なほど客観的に第三者的に静観、傍観。冷徹なほどその現状を説明・分析。今そこで起きている事象をただありのまま語っている、といった感じか。前述したが、これがどういう状況で番組中使用されていたかは忘却したのであくまで推測の域を出ないが、曲だけ聞くとそんな感じだ。


 そしてまた吹っ飛ばして最終曲、M-11「夜明け」。うむ。素晴らしい。確かこれは、まさに題名どおり、ほんとに番組最後、それこそまさに、まさに今、今までに伝えてきた事実がどうなっているかを”知らせる”というところで流れてた気がする。ここで言う”今”とは、今までの今とは違い、今までの今というのが寧ろ”当時”的ニュアンスだったが、この曲は本当に番組最後、今までの事実過程を踏まえて、悪くなっていようが、良くなっていようが、これがまさに放映されている”今”この瞬間に於ける現状ではこうなっている、という、本当に一方的な語りに流れている。確か毎回この最後の一方的現状報告シーンに入ると、音楽と一体となり、鳥肌を立てていた気がする。麻痺する。


 さて。いよいよ見たくなって来たぞ。rz