精獣戦争

精獣戦争が読みたくなってきた。今年の干支は戌であり、狼も犬である。狼と言ったら”悲哀の青狼メイアース”である。犬は微妙に特徴が無いのでそれを参考に書こうと思ったわけだ。

精獣戦争

うむ、精獣戦争。それは一体いつ知ったのだろう。多分高校時代だと思う。まあその当時は、本乃至読書という行為が嫌いだったにもかかわらず何故か角川スニーカー文庫にはまっていた。ちょっとだけファンタジアとか電撃とかも読んでたが、やはりメインはスニーカーだった。でも高3あたりから急激に購読しなくなった。読む行為が面倒くさいのと同時に、飽きても来ていたと思う。

ああ話が反れた。で、この精獣戦争シリーズを読もうと思ったのは、ううむやはりこれでしょう!ジャケ買い!!まあ基本的に某が購入するといえば、ジャケ買いが殆どである。っていうか寧ろ、中身を考えて買ったのは、そもそもアニメ化されていてそれが小説化されたもの、つまりアニメで内容把握し、興味を持ったものを買うという感じだ。あと、ジャケ買いとは言わないが、本をパラパラめくって、何かメカニック・軍事設定があるかどうかだけで買ってもいた。内容はともかく・・・ね。メカの絵とかあったり、詳細なスペックとか載ったりしてる日には、ああ購入対象ですな・・・って、そういうのを某的に「ジャケ買い」に含まれるんじゃンorz

っていうかまた話が反れた。で、うむ。この精獣戦争は先述した通りジャケ買いである。まあ見た瞬間、窒息しかけた。その非常に独特な筆の感じがいいですね。今手元にある、まさに購入契機となった第一巻の表紙を見ているが、ううむかっこいいですねえ。第一巻・・・≪絶望の黒龍ジーヴァ≫が描かれている。そして本の名前「龍は喰らう」と書かれている。うお!死ぬ!
まずジーヴァがかっこよすぎる。単なる龍を一線画しているデザインがいい。一瞬見て、うお!!?これ龍??!かっこえぇ〜って感じ。そして本の名前。「龍は喰らう」・・・ひ、惹かれる!あと、そこには各ユダの獣シリーズ象徴盾も載っている。まあ表紙めくると独占頁があるのだが。まあ特に前述のような印象を与えているのは、やはりここだろう。うむ。その、彼、鴉和三氏の独特な絵。このシリーズでは、カバーイラストが彼で、カバーデザインは山田浩市氏である。前者は実際に描いて、後者は描かないが、配置構図に於いて前者に指示する役職なんだろうと思うのだが、うむ。本当に配置・構図もよくてイイ絵ときた。即購入決定は必然であろう。
とまあソウはいってもやはり内容は気になるもの。パラパラと概観して取り合えず雰囲気を掴む。どうもこの世界では精獣なるものがいるようだ。で、その中でも特別な存在、ユガの獣なる精獣がいるらしい。そして主人公はそれを操るらしい。また、世界観については、ああこれはよくファンタジー系ではありがちな、何でもかんでも別名?をつけたがるやつ。「聖なる森 ○○」とか、「○○なるもの ○○」とかそういうやつ。兎に角バリバリそういうやつってこと。
さて。とりあえず某がこれを買う前に概観するに当たって購入を決定的にしたもの、それは、そのまさに「絶対的存在」と言う要素と「属性」と言う要素。
まず前者、絶対的存在についてだが、これは、まあもののけ姫で言うと「シシガミ」そのもの。後者、属性については、まあよくゲームでありがちな「水の精霊○○」の”水”や「雷属性」とか、「草属性は火属性に弱い」とか、そういうやつ。
この精獣戦争では、まず主人公が持つ精獣ひいてはユガの獣という存在がそれである。あと、各ユガの獣シリーズにはそれぞれ、≪絶望の黒龍ジーヴァ≫を例に取ると、”絶望”、”黒”、”龍”と言う部分が後者の要素に当たる。

本編

さて。まあ当然全巻揃えたわけだが、うむ。某は基本的に再読と言う行為を面倒なのでしない人であり、しかも読んだのが相当昔と言うことで殆ど内容は覚えていないorz。が、しかし一応流れとしては超簡単に説明すると、まあ主人公が”精獣戦争”とは何かを探る旅に出る(マジ要約しすぎたかな)というものである。ちゃんと最後は確か解決したと思う(多分)。

文章

うむ。この本、マジで読みにくい。あまりに難しい言葉や漢字が多用されていて、非常に読みにくいし理解しづらい。しかもまたその表現方法があまりに豊富すぎて、広範すぎて、婉曲すぎて、結局どういう形容をしたいのか、どういう事象を述べたいのかがわからなくなったりする。まあこの辺は某の読書量の絶対的少数、語彙量の不足から来るのも確かにあるが、しかしそれでも、である。これ、本当にわかりづらい。何度も読み直してもまだ微妙。その点はどうしても不快と感じずにはいられない。が、しかし某はその雰囲気がいい。漢字や熟語は殆ど辞書引かないと不明だし、何度読み返しても理解不能だが、しかし、映像とか音声とかはまだ直感的にその雰囲気と言うのが掴めて把握しやすく、非常に某もそれらの媒体は好きである。が、小説は文章だけでその場の雰囲気と言うものを伝えなければならない。つまり、これはまさに作者の技量・感覚がまさに言葉や文章そのものに反映され、個性豊かな表現が必然的に生じる。そして某はまさにこの 著・三田誠氏の独特の言い回しが、何となくかっこよく感じる。まさにこの”精獣戦争”のために書かれたあの文章、マジでいいですねえ。

世界観

さて今度は世界観。ああ、これはとてつもなくいい!!!とりあえずこれは別名が多い。抽象的固有名詞が多い。たとえば、”混沌の壁”とか、”<帝国>”とか、”1テナム(30cm)”とか、いかにもファンタジー!って感じ。完全に別の世界が創造されている。兎に角、この幻想的な世界観がたまらない。がちがちのファンタジーだけど物凄く王道を行ってる気がする。まあ王道とは何かと言われると痛いが、ううむ。でも、たまらないんですよねえ。

ユガの獣

ああユガの獣!ユガの獣なくしてこの物語は語れない!!!とまあ言うものの、全然結末とかそれ以前に結構内容忘却してるんですがorz
さ〜てさてさてさてー!ユガの獣来ました。

それは絶望
それは激怒
それは悲哀
それは慈愛
それは無垢
それは欲望


それは黒
それは紅
それは青
それは碧
それは白
それは金

     ・・・・・・それはユガ

            ------≪忘却の予言の書≫第一章「ユガ」

「鳩は滅ぼす 精獣戦争」原案 安田均、著 三田誠  角川スニーカー文庫 P8より

されば、精獣の王、ユガの獣には六柱あり。


≪絶望の黒龍ジーヴァ≫
≪激怒の紅虎グノーシルグ≫
≪悲哀の青狼メイアース≫
≪慈愛の碧猫セラテム≫
≪無垢の白鳩エスレーン≫


そして、王の中の王、獣の中の獣の名は、誇り高くこう呼ばわれん。

     ・・・・・・≪覇王の金獅子イルナーヅァ≫、と。

            ------≪忘却の預言の書≫ 十六章九節「獣王」

「龍は喰らう 精獣戦争」原案 安田均、著 三田誠  角川スニーカー文庫 P126より

まあ結局この獣王ことイルナーヅァ、覇王もだが、正式?には≪欲望の金獅子イルナーヅァ≫なんですが、しかしいい!!!この属性がいい!!某、こういうの大好きである。まずユガの獣の神格化がいい。絶対大好き人間にはたまらない設定ですな。彼等の数え方の単位が”柱”ですよ!!!柱と言えばまさに神を数える時の単位の名称である。また、それぞれに”感情”、”色”、”動物”という属性をつけているのがいい。更に言うと、これらを人がしていないのがいい。あえて動物を神格化しているところがいい。某は人の絶対者という設定は好まない。と言うのはやはり人は反自然を象徴する唯一無二の存在であると考える。そんな人を何故絶対神聖化できるか不明である。それに対して動物の神聖化は、うむ。そもそも動物と言うのはまさ自然を遵守して生きる、まさに自然そのものの象徴であるように思う。自然と言うのはそれが私的に言えば、”絶対”そのもの。人は自然に一体なのができると言うのか・・・。その点で主人公ウルズさんと<帝国>新皇帝アズナートさんは、これでもかと言うほどその完璧絶対神聖不可侵極超美麗を嫌と言うほど強調しているのが非常に目に付くのだが痛い。がしかしあそこまで書かれるともうどうでもよくなる?まあそうだからこそこの主人公としてなりたつのだろう。
で、また、”感情”、”色”の属性を付随させたことについては、うむ。私的に陰陽五行説とか、ああいった類の物が好きな某には、これまた非常に興味をそそる設定である。何かそういうのを見ると、その規格化されているのが非常にかっこよく見える。東は青の青龍、西は白の白虎、南は赤の朱雀、北は黒で玄武とか。因みに中央は紫とか。それに各ユガの獣にはそれぞれ固有の精獣としての能力を備えている。これはまさに精獣戦争シリーズの本の題名が示しているが、黒龍は”喰う”。ちなみにこの第一巻は金獅子の”支配”の紹介も加えて、つまり2巻分の内容と言うか、そういう構成になっている。まあ、主人公が実質ウルズさんとアズナートさんで、最後までずっと戦ってらっしゃるから、まあ妥当と言うか必然と言うか・・・。で、2巻は青狼の”惑わす”これはわかりにくいが、つまるところ”模写する”のだ。第三巻の紅虎は”歪める”。第4巻の碧猫は”導く”って、確かこれは”癒す”はず。そして最後の第5巻の白鳩は”滅ぼす”。各能力は各精獣士のそれこそまさにそのユダの獣が象徴する感情の大小に比例する。故にまあ各ユダの獣が互角である保障は無い。

薄暮の君

世界を朱に染め、闇の訪れを告げるもの。
闇を引き裂き、光の先触れを担うもの。
されど、光にあらず。
闇にもあらず。
其に住まうはどちらにも相容れぬ、孤独なる王。
神にも捕らえられず、妖魔にも縛れぬ、偉大なる囚人。
さらば呼べ、


      ・・・・・・薄暮の君、と。

           ------≪忘却の予言の書≫三十五章六節「薄暮の君」

「狼は惑わす 精獣戦争」原案 安田均、著 三田誠  角川スニーカー文庫p8より


うむ。この精獣戦争と言えば、彼しかいない。”薄暮の君”たるヤーブナである。偉大なる囚人とはよく言ったものである。一応彼は某城の単なる一城主に過ぎないのだが、まあ”薄暮の君”と言われる所以がある以上、普通では無いと言うこと。にしても、かっこよすぎ。まず、あの外観がいい。そして、精神もいい、多分。

と言うことで某は精獣シリーズの中で彼がいい。

内容

うむ。正直結末とか、結構よく考えたなと感心し、かっこいい〜と思ったのを覚えている。まあ先述したが、もう殆ど内容は覚えていない。特に後半になるにつれ、どんどん文章表現や登場人物、心情等がややこしくなってきて某の理解を超えていた。がしかやはりちゃんと、まあ無理やりだろとわ思いながらも雰囲気がそれを帳消しにし、それでも読ませる、非常にオモロイ作品だったと思う。まず一回読んだだけではおもろさはわからないか若しくは伝わりにくい?かもしれない。


うお!書いてるうちにマジで読みたくなってきたworzということで冬季休業中絶対全巻読み終えてやる。そして再読読解し、更なる理解を求めてみよう。

ハリーポッター

うむ。この原案 安田均氏も見ていたように、多分はリーポッターも某が好きなようなタイプのファンタジー系なのだろうと思う。でも見ないのは、単に洋画が食わず嫌いだからだ。正直洋画とかあまり興味ないし感動しない。明らかな洋画に対する偏見持ってるのである。